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卵菌ウイルス2

北極域のコケから分離されたGlobisporangium polare(旧Pythium polare)に感染している新奇二本鎖RNAウイルス(Pythium polare RNA virus 1,PpRV1と名付けました)に関する論文がウイルス専門誌virologyのオンラインで公開されました。

笹井さん(2018年博士前期課程修了)が卒論と修論で取り組んだ渾身の論文です。
G. polareに感染していた二本鎖RNAウイルスの全長配列を決定して,トティウイルスに類似する新奇な非分節二本鎖RNAウイルスであることを明らかにしました。PpRV1は宿主菌の生育には影響を与えていない潜在感染ウイルスでした。面白いことに,同じく極地の海域に生息する珪藻からもPpRV1に類似したRNA配列があることがわかり,極地に生息するストラメノパイルに共通して感染しているウイルスであるかも知れない(あくまで可能性です)ことを示しました。
※この研究は笹川科学研究助成の支援を受けて行ったものです。

Sasai S, Tamura K, Tojo M, Herrero M-L, Hoshino T, Ohki ST, Mochizuki T*. (2018) A novel non-segmented double-stranded RNA virus from an Arctic isolate of Pythium polare. Virology 522: 234-243