植物の限りない可能性を探求し、持続可能な社会を創ります
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研究(Science & Technology)
私達は、植物を食材として消費しているだけでなく、衣料や建築物の材料としたり、さらに、植物成分を燃料や医薬品などの原料として利用しています。地球上には約30万種の植物が知られており、寒冷地や乾燥地など極限環境下で生育する植物もあります。多様な植物はそれぞれ多様な遺伝子や多様な代謝物を持っており、その中には未知の有用遺伝子や有用代謝物が残されています。私達は、多様な植物および植物に付随する多様な微生物がもつ能力を遺伝子・代謝物・細胞・個体レベルで明らかにし、そして、その能力を有効利用する技術や栽培法を開発して持続可能な社会を拓くことを目的に研究を行っています。
研究の特色
植物バイオサイエンスには10の研究グループがあり、植物や微生物の能力を分子生物学的に解明する基礎研究から、それらの能力を利用した革新的な技術開発を行う応用研究まで、幅広い研究を展開しています。
遺伝子組換え・ゲノム編集といったバイオテクノロジー、ゲノム解析・メタボロミクス(代謝物一斉分析)・バイオイメージングなどの最新手法、そしてバイオインフォマティクス(生物情報学)に強いのが特色です。
もちろんフィールドや植物工場での植物栽培は得意です。
一般企業、各省庁の研究機関、各都道府県の研究機関、そして、海外の大学などとの共同研究も盛んに行っています。
研究テーマ(研究タイトルをクリックすると研究内容に移動します)
▶️ 寄生雑草防除法の開発
▶️ 遺伝子発現制御メカニズム
▶️ 細胞内温度のイメージング
▶️ 細胞の力学応答機構
▶️ 光合成変換エンジン効率化計画と光合成産物ハイウェイ計画
▶️ 植物の環境記憶メカニズム
▶️ 生殖隔離メカニズム
▶️ 循環型農業技術の開発
▶️ 植物のストレス応答
▶️ 植物工場
▶️ 機能性成分
各研究テーマの内容
スマートセルインダストリー・バイオ燃料化石資源に依存しない社会のために、植物の潜在力を利用する技術を開発しています。具体的には、高度に機能がデザインされ、機能の発現が制御された生物細胞(スマートセル)による有用物質生産や、高機能組換え植物組織培養によるビタミンD3高効率生産技術の開発、ワックスエステル高含有ユーグレナを開発です。 |
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寄生雑草の防除法の開発HIV・マラリアとならぶアフリカの課題である寄生雑草の問題を解決するために、寄生雑草発芽メカニズムの生化学的な理解、ターゲットとする代謝経路の決定と代謝酵素の同定・機能解析、酵素阻害剤のスクリーニングと化学構造の最適化を行っています。 |
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遺伝子発現制御メカニズム近年の研究により、RNAは転写からタンパク質合成、タンパク質輸送までの遺伝子発現のほぼ全ての段階に関与する機能性分子であることが明らかになってきました。私達は、RNAの転写レベルでの制御機構(転写型遺伝子サイレンシングと呼ばれています)や、細胞内で機能性分子として働く低分子RNA(マイクロRNA)の生成・機能を包括的に理解することを目的に研究を行っています。 |
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細胞分裂のライブイメージングライブセルイメージングとは、緑色や赤色などの蛍光タンパク質を使って、生きた細胞内の様々なタンパク質の動きや働きをリアルタイムで追跡できる画期的な手法です。基礎研究から創薬、安全性試験に至る幅広い分野で注目を集めており、このライブセルイメージングの手法を用いて細胞が生きたままの状態で薬や食品成分の働きを評価しています。 |
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細胞内温度のイメージング温度は生物にとって最も重要な物理量であり、細胞の働きも、環境温度の変化によって大きな影響を受けます。また、吸熱や発熱を伴うさまざまな化学反応は、細胞内の温度を局所的に変化させる可能性があります。私たちは、細胞内の温度を見る独自の技術により、温度という新しい観点からさまざまな細胞の機能を理解する研究を行っています。 |
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細胞の力学応答機構骨や筋肉は運動すれば強くなり、動かさないと弱くなるけれども、どういう仕組みでそうなるのか? このような質問にようやく細胞や分子のレベルで答えられるようになりつつあります。私たちは細胞骨格の研究を基に、細胞が物理的な力に応答する仕組みを研究しています。 |
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バイオビッグデータサイエンスさまざまな研究を俯瞰することで、新たな視点から研究全体を眺め、それぞれの研究をグループ化することで、個々の研究からは得られない知見を発見します。生命科学のデータサイエンスにより、遺伝子の機能を知り、遺伝子の進化を知り、病気の原因を知り、健康の維持を目指します。 |
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植物の環境記憶メカニズム植物はどうやって(何をどこで感じて)生長具合を把握するのか?、植物が経験した環境条件は記憶されるのか?、その記憶は次世代に遺伝されるのか?を分子レベルで明らかにします。それにより、植物の生長速度や開花時期を人為的にコントロールしたり、異なる栽培地や時期に栽培できる可能性や品種のブランド力を損なうことなく、新形質を付与することができる可能性があります。 |
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循環型農業技術の開発リン資源の有効利用に関する研究 タケ堆肥による難防除土壌病害の防除法の開発 |
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植物のストレス応答ストレス応答に関与するペプチドに関する研究 ストレス応答と成長制御に関与する植物因子の研究 小胞体ストレス応答に関する研究 |
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機能性成分ブドウの野生種は,着色が良好で,機能性成分を豊富に含むなど有用な特性を示し,ブドウ品質の改善に寄与する可能性があります。そこで,野生ブドウ資源の評価,資源的価値の強化,利用法や繁殖・栽培方法の検討,そして野生ブドウを活かした新品種育成を行っています。 |
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