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ジャガイモの食中毒(7月11日)
ジャガイモの食中毒事件が報じられた。
https://www.asahi.com/articles/ASM795TGLM79PIHB016.html
小学校で栽培したジャガイモを調理実習で食したところ腹痛や吐き気、下痢などの症状を訴えて救急搬送され、入院した児童もいたとのことである。原因はジャガイモの芽や緑色の皮に含まれるソラニン、チャコニンと考えられる。野菜でもっとも多い食中毒はジャガイモと言われる。農林水産省も動画を作って注意を呼び掛けている。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/potato.html
ソラニン、チャコニンといった毒の無い(正確には極めて少ない)ジャガイモがゲノム編集により作られている。
http://www.affrc.maff.go.jp/docs/anzenka/attach/pdf/npbtkenkyu-1.pdf
こうしたジャガイモは食中毒の防止に繋がると期待されるが、実用化されるには、特に流通の面から克服すべき課題あるのではないだろうか?少なくとも導入当初は毒なしジャガイモは非常にマイナーである。メジャーな毒あり(つまり従来の)ジャガイモが混入する恐れがある。毒なしを強調して、実は毒ありだったらまずい。結局、皆が警戒してジャガイモの芽を取っていたらメリットが見えない。
もっとも、これはジャガイモの店頭販売や家庭での取扱いについてである。厳密な流通管理を行ったうえで食品加工会社に供給できれば、省力化につながる。小学校での栽培に用いれば冒頭のような食中毒を防げる。危機管理が出来なくなるという声も聞こえてきそうだが、なるべく安全なものを子供に使わせるのは一般的だ。
一般的に毒なしジャガイモが存在すれば、その分、食中毒のリスク軽減につながる。もっとも、毒なしだと過信すると危険だ。やはり流通管理がポイントとなりそうだ。
より良い実用化には、もっと多様な観点がありそうだ。