研究内容

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その他の研究

サトウキビの分子育種

 私達はサトウキビの分子育種を目的として、効率的な遺伝子導入系の開発を進めています。これまでの研究で、日本の代表的サトウキビ品種‘NiF8(農林八号)’の茎頂よりカルスを誘導し、カルスからの再分化を試みました。その結果、サイトカイニンであるTDZ(thidiazuron)を添加した再分化培地でカルスを培養することにより、これまでに報告されてきたサトウキビの再分化系と比較して、短期間(1週間以内)でシュートが誘導されることを見出しました(Wamaitha et al., 2010)。現在、このサトウキビカルスをAgrobacteriumの接種材料とした形質転換系の開発を進めています。サトウキビは形質転換効率が低いことや、組換え植物体を作出するまでの期間が長いことが問題になっていますが、私達が見出したサトウキビカルスからの迅速な再分化系を用いて、効率の良い形質転換植物体の作出に取り組んでいます。サトウキビはバイオエタノールの供給源として注目されており、遺伝子改良によるより高いバイオマス生産性を持つサトウキビの開発を目標としています。

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【発表文献】
Wamaitha MJ, Suwa K, Fukuda KI, Mii M, Daimon H, Mishiba KI (2010) Thidiazuron-induced rapid shoot regeneration via embryo-like structure formation from shoot tip-derived callus culture of sugarcane. Plant Biotechnol 27:365-368

 


園芸植物の分子育種

 私達は園芸植物の分子育種を目的として、遺伝子組換え植物の作出や変異誘導系の開発を行っています。遺伝子組換え植物の作出は、タバコ等の実験植物では比較的容易に行うことが出来ますが、植物種によっては非常に困難なものもあり、また一部の例外を除いて組織培養の技術を必要とします。したがって、分子育種の基盤技術として、これまで形質転換系を持たなかった、もしくは困難であった園芸植物種で、組織培養技術や形質転換系を開発することは重要と考えます。
 これまでにラベンダーやコチョウラン、シンビジウム、リンドウの形質転換系の開発に携わった経験を生かし、遺伝子組換えが困難であるとされる植物種における形質転換系の開発や、有用遺伝子の導入を行っています。また、遺伝子組換え技術を用いない変異誘導の手法として、新しい突然変異変異誘発技術の開発も進めています。

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【発表文献】
Mishiba KI, Ishikawa K, Tsujii O, Mii M (2000) Efficient transformation of lavender (Lavandula latifolia Medicus) mediated by Agrobacterium. J Hort Sci Biotechnol 75:287-292

Mishiba KI, Chin DP, Mii M (2005) Agrobacterium-mediated transformation of Phalaenopsis by targeting protocorms at an early stage after germination. Plant Cell Rep 24:297-303

Mishiba KI, Nishihara M, Abe Y, Nakatsuka T, Kawamura H, Kodama K, Takesawa T, Abe J, Yamamura S (2006) Production of dwarf potted gentian using wild-type Agrobacterium rhizogenes. Plant Biotechnol 23:33-38

Chin DP, Mishiba KI, Mii M (2007) Agrobacterium-mediated transformation of protocorm-like bodies in Cymbidium. Plant Cell Rep 26:735-743

Nakatsuka T, Mishiba KI, Abe Y, Kubota A, Kakizaki Y, Yamamura S, Nishihara M (2008) Flower color modification of gentian plants by RNAi-mediated gene silencing. Plant Biotechnol 25: 61-68

Nakatsuka T, Mishiba KI, Kubota A, Abe Y, Yamamura S, Nakamura N, Tanaka Y, Nishihara M (2010) Genetic engineering of novel flower colour by suppression of anthocyanin modification genes in gentian. J Plant Physiol 167:231-237