研究内容

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ナスの分子育種

 2019年には世界の耕地の1割以上、日本国土の5倍以上の面積で遺伝子組換え作物が栽培されました。食料自給率の低い日本は多くの遺伝子組換え作物を輸入、消費しています。しかし、遺伝子組換え作物はこれまでの品種改良とは違うという理由で余り歓迎されず、研究開発も限られています。私たちの生活に遺伝子組換え作物は益々重要になってくると考え、遺伝子組換え技術の可能性を示す研究を行いたいと考えました。

 

 そこで、「ゴールデンライス」をヒントにβ-カロテンを多く含むナスの開発を行いました。ゴールデンライスはビタミンA欠乏症により失明したり、死亡したりする子供達を救うために開発されました。βカロテンは私たちの体内でビタミンAに変換されます。私たち人間はビタミンAを作ることが出来ないので、βカロテンが欠乏するとビタミンA欠乏症になります。そこで遺伝子組換えによりゴールデンライスが作られました。私たちは遺伝子組換え技術により、培養細胞では約100倍、果実では約30倍にβ-カロテン含量を高めることに成功しました。しかし、この含量では実用化を考えるには十分ではありません。より含量を高めるには、さらに工夫が必要です。

 

 

 

【発表文献】
Mishiba KI, Nishida K, Inoue N, Fujiwara T, Teranishi S, Iwata Y, Takeda S, Koizumi N (2020) Genetic engineering of eggplant accumulating β-carotene in fruit. Plant Cell Reports in press