論文

category

卵菌ウイルス3

植物病原性卵菌であるGlobisporangium splendens(旧Pythium splendens)に感染している新奇二本鎖RNAウイルス(Pythium splendens RNA virus 1,PsRV1)に関する論文がウイルス専門誌virologyのオンラインで公開されました。

https://authors.elsevier.com/a/1Zgy19j6wXGtp ←論文への直リンクです。

八田さん(2017年博士前期課程修了)と芝君(現博士前期課程2回生)がそれぞれ修論と卒論で取り組んだ研究です。
G. splendensに感染していた二本鎖RNAウイルスの全長配列を決定して,北極のコケに感染していたG. polareから同定したPythium polare RNA virus 1(PpRV1)と類似したトティウイルス様ウイルスであることを明らかにしました。さらに,PsRV1は温度依存的に無性胞子を介して垂直伝搬することを示した論文です。

Shiba K1Hatta C1 (equal contribution), Sasai STojo MOhki STMochizuki T*. (2019) A novel toti-like virus from a plant pathogenic oomycete Globisporangium splendens. Virology 537: 165-171.

RNAウイルスの適応進化

同義置換をウイルスゲノムに大規模導入した変異キュウリモザイクウイルスの進化に関する論文がJournal of Virologyにアクセプトされました。

https://jvi.asm.org/content/early/2018/08/31/JVI.01007-18

人為的な変異RNAウイルスを使ったモデル実験系により、「ウイルスゲノムRNA二次構造の有害な変化はウイルス進化を駆動する」というコンセプトを提唱した論文です。
望月が米国ペンシルベニア州立大学Roossinckラボに留学していた2014年から開始した研究の第一報になり、Roossinck教授との共同研究の成果です。

Mochizuki T*, Ohara R, Roossinck MJ. (2018) Large-scale synonymous substitutions in the cucumber mosaic virus RNA 3 facilitate amino acid mutations in the coat protein. Journal of Virology (In press)

卵菌ウイルス2

北極域のコケから分離されたGlobisporangium polare(旧Pythium polare)に感染している新奇二本鎖RNAウイルス(Pythium polare RNA virus 1,PpRV1と名付けました)に関する論文がウイルス専門誌virologyのオンラインで公開されました。

笹井さん(2018年博士前期課程修了)が卒論と修論で取り組んだ渾身の論文です。
G. polareに感染していた二本鎖RNAウイルスの全長配列を決定して,トティウイルスに類似する新奇な非分節二本鎖RNAウイルスであることを明らかにしました。PpRV1は宿主菌の生育には影響を与えていない潜在感染ウイルスでした。面白いことに,同じく極地の海域に生息する珪藻からもPpRV1に類似したRNA配列があることがわかり,極地に生息するストラメノパイルに共通して感染しているウイルスであるかも知れない(あくまで可能性です)ことを示しました。
※この研究は笹川科学研究助成の支援を受けて行ったものです。

Sasai S, Tamura K, Tojo M, Herrero M-L, Hoshino T, Ohki ST, Mochizuki T*. (2018) A novel non-segmented double-stranded RNA virus from an Arctic isolate of Pythium polare. Virology 522: 234-243

卵菌ウイルス

Globisporangium nunn (旧Pythium nunn)から検出された新奇パルティティウイルス(Pythium nunn virus 1と名付けました)のウイルス遺伝子配列に関する論文がオンラインで公開されました。

https://link.springer.com/article/10.1007/s00705-018-3880-0

八田さん(2017年博士前期課程修了)がP. nunnから発見し、芝さん(現博士前期課程1年)がウイルス全長配列を決定した、卵菌で初めて見つかったパルティティウイルスです。
※パルティティウイルス科ウイルスは植物、糸状菌、原生動物に無病徴感染しているウイルスです。

Shiba K, Hatta C, Sasai S, Tojo M, Ohki ST, Mochizuki T*. (2018) Genome sequence of a novel partitivirus identified from the oomycete Pythium nunn. Archives of Virology 163: 2561–2563

上梓

大木教授著の教科書「微生物学」(東京化学同人)と大木教授共監修の「植物ウイルス大事典」(朝倉書店)が上梓されました。